デザイン開発ストーリー

美光技研は、ご相談をいただいた企業様の商品魅力を最大限に引き出せるよう、様々なデザイン研磨のご提案や商品に合わせた新規デザイン開発を行っています。
デザイン開発ストーリーでは、そんな弊社の開発風景の一部を代表の和田がご紹介いたします。
CASE01 米自動車メーカーの高級ライン、ドアトリムデザインの開発
「世界中からこのデザインが出来る会社を探した」
依頼をいただいたのは、アメリカの自動車メーカーから依頼を受けた、品質に定評のある日本の自動車パーツメーカー様からでした。
高級ラインに位置する車種のドアトリムに研磨デザインを施すことが決まっており、質の高い研磨を量産できる会社を探して弊社に声をかけていただいたようです。
研磨の技術を持った企業は世界中にたくさんあると思いますが、「加飾」の研磨に特化している企業は世界中を見ても数少なく、弊社が候補の一つに上がったのだと思います。
設計されていたデザインを上回るデザインの開発へ
事前にお伺いした希望のデザインは、「エンジンターン(ウロコスピン)10φ」でした。
ウロコデザインは弊社の最も得意とするデザインのひとつでもあり、クオリティーの高いものに仕上げられる自信はありました。しかし、出来上がった試作品をお見せしたところ、そのまま採用には至りませんでした。希望されていたデザインではあったものの、商品の最終形である新車種発売までには約2年という期間があり、その期間をかけて更に可能性を追求したいというニーズがあったためです。
ここは弊社の力の見せ所だと感じ、新規デザイン開発への舵を切りました。
試作回数約20回、他社と共同で2年に渡る試作の日々
先方からのオーダー内容は満たした上で、「今後どのようなものを美光技研として提案すべきか」は社内でも議論を重ねました。
ブランドの世界観を崩さないように最終製品をイメージしながら、斜めのウロコデザイン、スピンの芯を出したデザイン、スピンの芯を隠したデザイン、スピンの幅を調整したデザインなど少しずつテイストを変えてデザイン提案をしました。

弊社で研磨を施した後、金属板は別の会社でアルマイト加工の処理がかけられます。そのため、アルマイト加工を担当する企業様にも立ち会っていただき、処理後のデザインの輝き方や品質にも問題がないか、同じデザインの素材違いも試作しチェックを重ねました。
依頼の大元であるアメリカの自動車メーカーにも実際に試作品が郵送チェックされ、結果的に当初のご依頼であった「エンジンターン(ウロコスピン)10φ」とは異なる、「シングルスピン7φ」を敷き詰めたにデザインに決定となりました。
量産に耐えられるか否か、万全な受注体制の構築へ

デザインが決まった後は、量産への体制作りに移ります。
シングルスピン7φという柄は、今まで弊社が量産で受注してきた物に比べ細かなデザインとなり、量産の経験がありませんでした。研磨具の耐久性に問題がないのか、量産をかけた際にクオリティーにブレはないのかを試す必要があります。
研磨具の加工速度、回転数、砥石の番手を変えてテストを行い、1枚目に研磨をかけた金属板と100枚目に研磨をかけた金属板の仕上がりに違いが出ていないか細かに確認を入れ、オペレーションの体制も整えて行きました。